第29回日本生殖内分泌学会 学術集会を開催して
第29回日本生殖内分泌学会学術集会 会長
秋田大学大学院医学系研究科産婦人科学講座 教授 寺田 幸弘
当学術集会の歴代集会長が口をそろえてfundingにご苦労されたとお話しになっていましたが,当事者になりそれを痛感しつつ準備にあたりました.当会は「生殖内分泌」をキーワードに基礎・臨床の皆様が集まる会で,学会のサブスペシャリティーとも紐づけられず,例年協賛企業も付きづらく,参加者も限られた数です.しかし,それだけにお集まりいただいた面々は本当に生殖内分泌学がお好きで,その価値を認識している方々です.
第29回の学術集会は令和6年10月26日から27日秋田市内で行われました.第28回をご担当された村上節教授は今年でご退官されます.村上先輩のご希望で秋田大産婦人科初代教授(東北大産婦人科3代目教授)の九嶋勝司先生の墓参を学会前日にいたしました.九嶋先生のお導きよろしく,学会期間中は清々しい秋晴れに恵まれ全国から160余名の方々にご参加いただきました.
請講演の人類進化学者の慶応義塾大学の河野令子先生は,化石証拠を基本とする人類進化学と生殖という生理行動を結び付けてお話しいただくという,私の不遜なお願いしに見事にお答えくださりました.特別講演として東北大名誉教授(病理学)の笹野公伸先生には,総引用数7万を超える圧倒的な論文業績を基盤にした性ステロイド研究のいままでとこれからのお話しを賜りました.学術奨励賞候補演題は例年どおりの高レベルな内容で,発表者の平均年齢は30歳あたりで,若き力の萌芽が感じられました.前日ほぼ徹夜で発表練習をしてきた基礎系現役学部学生(4年生)の候補演題発表も見事でした(大学院進学後もがんばれ!).
懇親会は秋田大産婦人科同門会の先生方のご厚意と医局員の献身により,私たちらしい素朴で楽しい会ができたと思っています.めんこい秋田小町達(教室員です)が提供する名物ババヘラアイスも好評でした.
同門会諸先生と教室の皆,そして全国からご参加いただいた会員の皆様に感謝します.
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