日本生殖内分泌学会の沿革
加藤 順三
平成7年(1995年)5月に開催された日本内分泌学会の理事会、評議員会ならびに総会において、日本内分泌学会秋季学術集会の廃止に伴い秋に各分科会を開催することが決定されました。そして既設の2つの分科会(神経内分泌分科会、甲状腺分科会)に加えて新たに生殖内分泌分科会設立が必要であるとの機運が生まれました。日本内分泌学会の学術集会では、研究領域の多様化に伴い、生殖内分泌関係の演題が相対的に減少していますが、生殖内分泌学は極めて重要な研究領域であるとのコンセンサスがありました。
以上の状況に鑑み、生殖内分泌の研究に携わる基礎領域ならびに臨床領域の研究者、臨床家が結集し、日本内分泌学会内に生殖内分泌分科会を設立し、学術集会で情報を交換し、学問の発展に寄与することが必要と思われたのであります。そして生殖の研究に関連した学会、研究会、懇話会等と密接な連携を保ちながら、共に発展することが望まれたわけです。以上の趣旨により日本内分泌学会内に生殖内分泌分科会の設立が企画されました。そして平成7年(1995年)10月30日に、日本内分泌学会秋季大会が甲府市で開催された機会に、日本生殖内分泌分科会が正式に設立されました。基礎と臨床とのバランスのある発展を目的として、分野1(動物系・農学系・基礎医学系・薬学系)、分野2(産婦人科系)、および分野3(泌尿器系・小児系・内科系)からなる組織が形成され理事・評議員が選任されたのであります。
第1回学術集会・総会は、石居 進会長(早稲田大学生物)のもと早稲田大学国際会場で平成8年(1996年)12月6日に開催されました。また、会誌ニューズレター第1号が平成9年9月に発刊されました。(以降の本会の学術集会については本ホームページを参照)
平成12年(2000年)には、日本内分泌学会の承認のもとに本分科会は現在の日本生殖内分泌学会(青野敏博理事長)に改称し、組織も一層整備されて現在に至っています。さらに平成15年からは毎年秋に定期的に発行していたニューズレターを発展させ、学会機関紙に衣替えし「日本生殖内分泌学会雑誌」を発行しています。また本学会の情報を会員以外にも提供し、新会員とくに若い会員の参加を呼びかけるためにも、オープン形式のホームページを開設した次第です。