第28回日本生殖内分泌学会 学術集会を開催して
第28回日本生殖内分泌学会学術集会 会長
滋賀医科大学産科学婦人科学講座教授 村上 節
皆様のお陰をもちまして,第28回日本生殖内分泌学会は,2023年11月18日(土)と19
日(日)の2日間に大津市民会館を会場に無事開催することができました.
日本内分泌学会の分科会に位置づけられる由緒正しい日本生殖内分泌学会は,内科,
小児科,泌尿器科,産婦人科,そして農学部や薬学部など多様性に富む会員から成る集
団です.そこで「好奇心・関心・探究心」をテーマとした今回は,学問領域として拡散
するのを臆することなく,私の興味の赴くままプログラムを組みました.すなわち,オ
キシトシンの分泌作用があるのであれば漢方薬も,アンドロゲンを高める可能性がある
ならば原虫感染も生殖内分泌学に含まれてよいだろう,そしてLGBTQ の生殖を考える
のも当然生殖内分泌学の範疇に入るだろうということで,多様性に富む,手前味噌なが
ら興味深い内容になったと思います.
また,特別企画として研究の楽しさや励みをメンターの方たちにお話しいただいたの
は,ともすればうまく行かず,悩みがつきないことの方が多い研究という難事に励む大
学院生に,将来への希望の光を見出して欲しかったからですが,演者を務めていただい
た皆様のお話には研究を楽しむ心が込められており,明日からのモチベーション高揚に
つながったのではないかと思います.予想どおりであれ,予想外であれ,結果が出たと
きの喜びは何物にも代えられません.若き研究者の日々の努力が少しずつでも結実する
ことを祈っております.
ところで,第1日目は,皆様を比良おろしがお出迎えし,寒風吹き荒むあいにくの天
気ではありましたが,何よりも実現したかった琵琶湖湖上での懇親会を,夜空を彩る花
火も交え開催できたのは,滋賀県の生殖医療施設の方々のご協力の賜でした.また,今
回の学術集会では,当初は毎年滋賀県で開催している生殖関連の講演会とジョイントす
ることを企画していましたが,さまざまな事情で思うように事が運ばず,困り果ててい
たなか,多くのお力添えをいただき,お陰様でオンデマンドを含めて約180名の参加を
得ることができました.学術集会はいつも多くの方たちのご支援で成り立っていますが,
今回もその類に漏れず,この紙面をお借りして,あらためて2日間にわたり会期中に演
者を務めていただいた皆様,座長の労を執っていただいた皆様,会を盛り上げていただ
いた皆様をはじめ,ご援助いただいたすべての皆様に心から感謝を申し上げて事後報告
と致します.皆様本当にどうも有難うございました.
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