▽学術集会の報告▽

第27回日本生殖内分泌学会 学術集会を開催して

第27回日本生殖内分泌学会学術集会 会長 
広島大学大学院統合生命科学 教授
島田 昌之

 令和4年12月17日(土)〜18日(日)に,第27回日本生殖内分泌学会学術集会を広島市の広島コンベンションホールで開催しました.新型コロナウイルス感染症対策として, 現地参加だけでなくオンライン参加も可能としたハイブリッド形式で実施し,一部のプログラムは広島生殖医療研究会との共催とさせていただき,合計200名あまりのご参加を賜りました.
 久々に基礎系研究室が主催するということで,これまで当学会で講演いただいていない生殖内分泌,生殖生物学の第一線の基礎研究者2名に特別講演をしていただきました.東京大学の小林俊寛先生は,マウスからラット,ウサギ,そしてブタからヒトへと始原生殖細胞が発生する仕組みを詳細に解明されている研究を紹介いただきました.岡山大学の坂本浩隆先生には,射精におけるオキシトシンの新たな作用機構について講演いただきました.いずれも独自の解析系を用いた詳細な基礎研究で,そのデーター量に圧倒されるものでしたが,臨床系の先生方からも多数の質問をいただきました.また,基礎から臨床へつなぐシンポジウムやセミナーも企画させていただき,卵巣刺激やホルモン補充の臨床研究の話題や男性更年期障害に関する最新の知見を紹介していただきました.私自身,初めての学術集会の主催でしたが,2日間にわたって上記の特別講演やシンポジウム,セミナーだけなく,一般講演においても会場で活発な質疑応答が展開されたのをみて,参加いただいた会員の皆様に満足いただけたのではないかと考えております.
 無事に学術集会を終えることができたのも,多くの会員の方々に広島にお越しいただき,日ごろの研究成果を発表いただいたおかげであります.また,本学術集会の開催にあたり広島地域の生殖医療関係者から多額の寄付をいただきました.さらに,共催セミナーの開催や抄録集への広告掲載など多数の企業に開催に協力いただきました.ご支援いただいた皆様方に感謝申し上げます.