令和6年4月より理事長を拝命しました秋田大学産婦人科の寺田幸弘です。
就任にあたり挨拶もうしあげます。
当会は平成7年に日本内分泌学会分化会として発足し、平成12年には現在の日本生殖内分泌学会に改称されています。独立した学術集会は平成8年より継続して行われ、現在までに28回を数えております。
私が東北大学2年生だった昭和58年に東北大学産婦人科の鈴木雅洲先生により日本初の体外受精・胚移植による児が誕生しました。私は昭和63年の卒業以来東北大学、そして平成22年からは当地秋田大学で生殖医学を主領域として産婦人科学に打ち込んでまいりました。
当会の特徴として基礎系(領域1)および臨床系(領域2:産婦人科系、領域3:内科・小児科・泌尿器科系)が連携していることがあります。私はこの異分野の交流が当会の最も強みであること考えます。ヘテロな領域の研究者が多彩な実験動物種を駆使し「生殖内分泌」の視点から生殖現象を多角的に解析すること、それぞれが専門とする各臓器と生殖臓器の機能的な連関を協働で解明してゆくこと、など単一系の学会では不可能な新しい科学の創出が今後ともなされてゆくと期待しています。
過日、加藤順三先生が当ホームページの「沿革」に「生殖内分泌関係の演題が相対的に減少しているが、生殖内分泌学は極めて重要な研究領域であるとのコンセンサスがありました」と書かれておりますが、私も今、同じ気持ちであります。生殖にかかわる優秀な人材に入会いただき学会としての基盤をさらに堅実にしてゆくことが私の責務と考えております。
皆さま、よろしくお願いもうしあげます。
令和6年4月吉日
日本生殖内分泌学会理事長
秋田大学大学院
医学系研究科産婦人科学講座教授
寺田幸弘